国立公園の概要
大雪山国立公園は北海道の中央部に位置し、陸域では我が国最大の国立公園です。
北海道の最高峰「旭岳(2,291m)」を主峰とする大雪山連峰を中心として、石狩川と十勝川という大河の源流地帯であり、面積約23万ha、南北約60km、東西の幅は最大50kmを誇る、原始性豊かな国立公園です。
トムラウシ山(2,141m)から十勝岳連峰、そしてニペソツ山・ウペペサンケ山、石狩連峰や然別湖をいだく然別火山群などを含んだ地域、すなわち北海道の屋根と呼ばれる一体が大雪山国立公園に指定されており、全域に雄大な山岳景観が広がっています。
これらの山岳は、標高2,000m前後ですが、緯度が高いため本州の3,000m級の山岳に匹敵する高山環境を持ち、山の広がりは実に雄大です。山頂部では、真夏でも大きな雪渓・雪田が残り、250種以上の豊富な高山植物がいたる所に華麗なお花畑を作り出しています。山麓部には、エゾマツ・トドマツを主体とした亜寒帯の針葉樹林が広がり、その見事な森林景観は、この地域の原始性に欠くことの出来ない要素になっています。豊かな森林、高山植物の大群落、あるいは極地にも似た冬期間の厳しい寒気など、自然環境の多様な地域は、氷河期の生き残りといわれるエゾナキウサギやウスバキチョウ・アサヒヒョウモンなど、この地域特有の高山蝶、ヒグマ・エゾシカなどの大型哺乳類、クマゲラ・シマフクロウなどの希少な鳥類の生息地となっています。
山麓には豊富な温泉が湧き出ていて、層雲峡、勇駒別、天人峡白金、ぬかびら源泉郷、然別湖、トムラウシなどの北海道を代表する温泉地から、秘湯といってもよいところまで、それぞれに特色を持つの温泉は大雪山国立公園探勝の絶好の拠点となっています。